話題紹介

製造業
事例001:現場と共に材料と副資材の大幅削減活動

 製造現場では、材料や工具、油、洗浄液、ウエス(ボロ布)等にかなりの額を支払っている。これら を節約するため、管理者が「無駄を省け!」と大きな声で要求しても、なかなか削減できな い状況です。作業員も節約することで彼らがどんな利益を受けられるのかが判らない上に、管理者からは作業工数の低減や不良削減に重きを置かれるため、
現場では材料歩留まり向上と副資材の節約は二の次になる。

 そこで
実際にこれらを使用している人へ削減効果額を還元する方法を紹介します。

 その方法とは:
「金券」制度と余剰金券の買取り制度の導入

 現場の作業者は、原材料や工具、油、洗浄液、ウエス(ボロ布)等が必要な時に、出庫票と「金券」(月初に予算分を渡されている)で現品を入手する。月末に、作業者が節約した「金券」を買取るのです。買取り金は給与と同じ金(日銀発行の)で本人引き渡しです。個人の懐に入ろうと皆で飲みに行こうと自由です。
 作業者は、原材料から材料取りをするときに削りしろをできるだけ小さくし歩留まりを向上させたり、無駄な油、洗浄液、ウエスを節約したり、工具を修理したりして金券の節約を図ります。これを実行すると、原価低減は何割も可能なようです。
 また、不良率が低下し在庫低減や客先納期達成の向上、さらに加工の削りしろが少なくなることで切り粉が減少し工場が綺麗になる効果も出るようです。

 ここまでやれば現場での原価低減は大きい効果が上がると感心しますが、この案を実際に活用するには世間体を考える社長では無理と思います。社長に考え方やアイデアを提供するの には丁度良いので皆さんに紹介します。私も何回かは紹介しても感心されるだけです。  ( 杉中 )

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